教員という仕事は果たしてブラックなのか?
ブラック企業の基準というのは実は完全に定義されているわけでなく一般的には
「コンプライアンス意識が低く、長時間労働・
上記の基準に照らすと、教職はまぎれもなくブラックだと僕は思います。
そんな感じで今回は僕やSNSで知り合った方々のリアルな在職中の体験談を掲載させていただきます。
これを読んで教職をブラックと感じるかどうかはあなた次第。
最近話題の給特法改正と変形労働時間についても触れてますので興味のある方はご参考にしていただければ嬉しいです。
もくじ
教員はブラック労働!修学旅行の積立金の督促に行った先は、ゴミ屋敷だった
胃が痛い 恐怖の保護者対応
月100時間以上の時間外労働や土日も休み無しで家庭崩壊寸前、といったお話は以前の記事に書きましたもので。
まずは、個人的にツラかったなと思う僕のエピソードから。
中学の修学旅行の積立金、当時の勤務校は年3回に分けて銀行口座から引き落としをしていく方式だったと記憶しています。
でも中には、引き落としできない生徒の家庭もあるんですね。
でまあ、誰が督促するんだという話になると、担任の僕がするわけですね。
その生徒の家は保護者は父親のみの父子家庭。
まさか、みんなの前で生徒に「君の家、修学旅行のお金引き落としされてないけど、どうなってるの?」というわけにもいかず……。
仕事の合間をみて連絡先として登録されている父親の携帯に電話するも、なかなか出ない。
やっとつながったと思うと、「うっさいわ! そんなに言うんなら取りに来いや! ボケ!」と言われる始末。
管理職に相談すると、「もちろんお前が行ってこい」と。
生徒の家はその地域では有名な、ガラの悪い人がお住まいな団地でして……。
行く前から胃がキリキリと痛む。
時刻はすでに夜の20時
レトロなチャイムを鳴らすと、「入ってこい」との声が。
団地の中に入ると、床のあちこちにビニール袋やゴミが散乱しておりました。
春の家庭訪問の時には、ここまでヒドくなかったはずなんだけど。
眼光鋭い父親が睨みつけておりまして、
「修学旅行とかコチラは頼んだ覚えはない!」
「もう少しでカネが入るからそれまで待っとれ!」
最後にお金を投げつけられて、「そんなに言うんなら持って行けや!」と言われる始末。
いやー、とても傷つきましたね。
こっちも好きでやってるんじゃないのにな。
この現金ってどうやって会計処理するんだろ……。
また事務の先生にイヤミを言われるのだろうか。
家に帰ってもまだ仕事がたくさん残っているのにな。
そんな思いを胸にしながら、帰宅しました。
教員というのは、生徒の成長を身近で見届けられる、やりがいのある仕事でもあります。
その一方で、「先生は公務員で給料も安定してていいですね」、「俺らの税金で食わせてやってるのに」などどイヤミを言われることもありました。
その風当たりは年々強くなっているように感じます。
長時間労働だけでなく、精神的にもタフな仕事、それが教員です。
*プライバシー配慮のため、一部事実をボカしておりますのでご了承願います。
部活動、保護者対応、家庭との両立、僕が教員を辞めた理由はコチラの記事に詳しく書いています↓
教員はブラック労働!生徒の救急車に付き添い、保護者と連絡が取れない、もちろん残業代や交通費も出ない
以前書いた記事でご登場いただいた、裏垢教員はるかさん(仮名)より聞いたお話です。
本編に書ききれなかったのでこちらに記載。
救急車は突然に
時刻は6時前、友人との約束があったので必死のパッチで仕事を片付けて、さあ帰ろうかと思った矢先、部活で生徒がケガをして救急車を呼ぶという騒ぎがありまして。
じゃあ誰が付き添いで乗っていく?
という話になり、担任の私にお鉢が回ってきました。
まあ、そこまではしょうがない。
担任だもの。
友人との予定は泣く泣くキャンセル。
ホテルでおいしいデイナーコースを食べに行く予定だったのに(泣
保護者と連絡がつかない
幸いにも、生徒に命の危険はなく、念の為入院して明日には帰れるとのことで、ホッと一安心。
その間、生徒の保護者に連絡を取るも、なかなか捕まらない。
職員室と連携して、父・母の勤務先、携帯電話、何回もかけても繋がらない。
時刻は22時を回って……
「生徒を一人にするわけにもいかないし、私このまま病院に泊まるのかな。着替えどうしよ? メイクも落としたい。ここから学校まで結構距離あるよね。交通費……もちろん出ないよなぁ」
そんな悶々としている時、ようやく母親が登場。
もちろん、残業代は出ないし、自宅までのタクシー代(3,000円以上)は自腹。
遅くなったのは生徒のためだからしょうがないけど……
せめて、働いた分だけ、お金が欲しいです(むしろマイナスになってる)。
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教員のブラック労働をさらに助長!給特法改悪と変形労働時間制
給特法と変形労働時間制
そんな長時間労働、残業代は出ない、精神的にもツラい教員の世界ですが、さらなる悪夢が襲いかかろうとしています。
実は2019年10月から予定されている臨時国会で、約半世紀ぶりに給特法改正案が提出される見通しです。
教員に残業代を支給しないかわりに、一律4%の教職調整額を加算している現行の給特法。
定額働かせホーダイとも揶揄されているこちらの制度ですが、さらなる改悪となる恐れがあります。
具体的には下記の内容が盛り込まれると予想されています。
(もし違っていたらご指摘願います)
・1年単位の変形時間労働制の導入
・残業上限(月45時間?)を定めるガイドラインの追記(ただし罰則はなし)
出典:朝日新聞デジタル
変形労働時間制とは、グラフにするとこんな感じです↑
例えば、繁忙期は19時までの勤務、その代わり夏休みなどの比較的余裕がある時期は、15時までの勤務とする。
1年間トータルで労働時間が適切になるように調整をする。
子育て世代教員からは悲鳴が……
これに対して危機感を抱いているのが、働きながら子どもを育てているパパママ教員たち。
「月によって定時を19時と決められたら、保育園のお迎えはどうするのか?」
「自分の工夫や周りの協力等でなんとか17時ダッシュで帰っているのに、19時まで必ず学校に居なきゃいけないのはおかしい」
「もう、アカン……他に仕事を探すしかない」
そんな声がSNSを中心にたくさん上がっています。
教員以外の人も他人事ではないですよね、教員の数が足りなくなれば、学校教育の質は避けられない、それは日本全体に影響を及ぼします。
これは日本人全員で考えていかなければならない問題です。
このサイトの趣旨は、教員を辞めたい人が次のステージで輝けるように。
そして、教員を続けたい人が希望を持って働けるようになること。
微力ながら、僕もこれからも発信を続けていきます。
給特法改悪は教員以外の人にとっても他人事ではない
日本経済が国際競争力を失って、企業が「ヤバイ!カネがない!もっと人件費削るぜ」ってなれば
労働法そのものを改悪して
日本全体が定額働かせホーダイになる可能性だってある止めるなら、今だ!
色々な立場から
もっと声を上げていこう! pic.twitter.com/169pO1gylO— さとる@教師からの転職 (@SatoruTeacher) August 31, 2019