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今回は2021年2月19日に発売されたさる先生(@saruesteacher)、こと坂本良晶さんの新書『これからの教育を面白くする!さる先生の学校ゲームチェンジ』を徹底レビューさせていただきます。
本書は、
・今までの世の中の流れの概説
・少し先の未来予測
・教員はどのような心構えで望んでいくとよいか
・そのための具体的な実践
などなど盛りだくさんの内容となっています。
「日本の教育というゲームを変えよう!」
「教室を未来へと加速させる!」
帯のタイトルを眺めているだけで、なんだかワクワクしますよね。
本書はこんな人におすすめ
・世の中の変化のスピードが早すぎる! でも何から手をつけたらいいのかわからない
・正直今の仕事がつまらない、教員ってもっとやりがいのある仕事のはずなのに
・型にハマった今の日本の教育を変えたい
では、さっそくカンタンに中身をご紹介しつつ、僕なりの感想を記していきます。
*紹介にあたってさる先生の文章からの引用もありますが、僕の主観がモリモリと入っていることをどうかご了承ください。
もくじ
学校ゲームチェンジ!世界観をアップデートせよ
優れ力ではなく、異なり力
戦後、日本は奇跡的な経済成長を成し遂げ、世界に名だたる経済大国になりました。
当時の日本のモノづくりを支えていたのは「優れ力」。
言われたことをその通り、素早いスピードで正確に行うチカラ。
日本の教育はよく、上官・上司の言うことをよく聞く優秀な軍人・労働者を育てるための教育だと言われますが、高度経済成長期はそれで良かったんですね。
小型化、軽量化、壊れにくい、安全な工業製品をはじめとした日本のサービスは世界を席巻しました。
ところが、平成時代の30年間で日本の経済成長は頭打ちになっています。
平成元年に世界の時価総額ランキングトップ50に33社がランクインしていた日本企業は、令和2年にはトヨタ自動車のみという散々たる結果。
これからの時代は自分だけの見方を活かし、未知の価値を追加していく「異なり力×アート思考」が大切になってくるとさる先生は語ります。
「異なり力」とは「奇をてらう」にあらず
単に「人と違う」だけでは、誰からも相手にされない不要なものとなってしまう可能性があります。(単なる痛い人で終わってしまう)
成功するためには、あらゆる角度から考えてみる。
自分の考えにツッコミを入れながら、練り直してみる。(クリティカル・シンキング)
トライした結果、失敗してもいい。
「守破離」という言葉がありますが、先人をリスペクトしたきちんとした土台の元に、自分なりの思考を積み重ねていく。
これは教育の話だけでなく、大人の世界でも通じる成功の秘訣だと思いました。
学校ゲームチェンジ!教育観をアップデートせよ
「将来のなりたい職業=夢」を持つことが大切、という青臭い言葉で並べられていた従来のキャリア教育ですが、
職業を夢としてそこから逆算するのではなく、「自分はどんな未来を描き、どんなふうに生きたいのか」というビジョンを持つことが大切、とさる先生は語ります。
従来のキャリア教育
将来の夢=看護師になりたい
↓
そのために大学は看護学科に行こう。大学や専門学校に合格するために英語、生物、数学の科目を力を入れて勉強しよう
従来のキャリア教育ですと、画一的な指導ができるというメリットがありました。
しかし、大学入試でつまづいた時、あるいはなりたい職業に就いたけど思っていたのと違う場合、立て直しが困難となります。
*僕も実際に、憧れの教員になったけど思っていたのと違いすぎて辞めたい、でも次にやりたいことが見つからない。というご相談を山のように受けてきました。
これからのキャリア教育
将来のビジョン「病気で苦しむ人達を救いたい」
↓
看護師や薬剤師という選択肢もある、医師や研究者の道もある、知識を世の中に広めるためにジャーナリストもいいな
↓
看護師として働きつつ、余暇で病院内学級で落語を披露しつつ副収入を得る
まず、将来のビジョンがあってどのような仕事があるのかを広く探っていく。
今のこども達が未来において働いている頃には、大なり小なりパラレル化しているキャリアを歩むはずです。「本文より」
この方が壁にぶつかっても立て直しが効きます。
終身雇用がオワコン化している現代においては、複数の収入の柱があることも非常に理にかなっていますね。
学校ゲームチェンジ!教師観をアップデートせよ
学校の先生は世間知らず?
公務員は経済というフィールドにおいてはアリーナ席で座っているお客さんです。
(中略)プラスやマイナスを受けることも皆無です。要するに経済や政治の状況にかかわらず、基本的にお給料はしっかりと貰えますし、普通にやっている限りクビにもなりません。「本文より」
教員というのは、残念ながら経済とはかけ離れた世界で生きています。
不景気になっても給与カットもリストラもありません。
ところが、教え子の多くは資本主義社会に放り出され、経済競争の中を生きていきます。
「野球をやったことがないのに、野球の素晴らしさについて語る」ようなものと、さる先生は警鐘を鳴らしています。
投資を通じて経済観を磨く
では、教員はどうしていったらよいのか?
さる先生は「投資を通じて経済のプレイヤーになる」ことを選択肢として挙げています。
僕も教員時代はほんとお金に対して無頓着で、言われるがままに保険に加入したり、給与が入ったらあるだけ使ったりしていました。
社会科の教員なのに、新聞をきちんと読むヒマもあまりなかったように思います。
退職してからですが、株式やNISA,仮想通貨などの投資を始めたり、FPの資格を取得するなどしてお金の勉強をしてからかなり視野が広がりました。
経済や政治、そして自分を取り巻く社会がどのようにつながっているか、プレイヤーとなることで理解できる面がたくさんありますね。
まとめ
いやー、正直言って書いてて難しかったです。今回の記事(苦笑
筆者との全力勝負の対話、といいますか、自分の薄っぺらい「観」を問い直されているような気がいたしました。
さる先生のインプットの質と言語化するチカラ、改めて敬服いたします。
我々を取り巻く世界のルール、ひいては学校のあるべき姿は確実に変わっている。
教育界だけでなく、様々な人達と精力的にコラボしてらっしゃるさる先生。2021年はどんなご活躍を見せてくれるのでしょうか?
みなさんも本書で、自分なりの観をアップデートして、一緒にワクワクしましょう。