こんにちは、「教員からの転職」をテーマに発信をしている元中学教員のさとる(@SatoruTeacher)といいます。
突然ですがみなさん、ブラック部活という言葉をご存知ですか?
ブラック部活動(ブラックぶかつどう)とは、日本の教育において、生徒と保護者の同意を得ず部活動に入部を強制させたり、生徒の人格を否定するような暴言や、体調を崩すほどのサービス残業(長時間拘束をする部活動)のことである。
引用:フリー百科事典wikipedia
暴言や体罰で生徒の健全な発育を阻害する。
体育会系教員による、他の教員への嫌がらせ。
また教員の長時間労働という面でもブラック部活動は問題となっています。
そこで今回のテーマは、部活動顧問と教員同士のいじめ、そして対生徒への事例も踏まえながら、僕がTwitterでお世話になっている現役高校教員の大地さん(@bukatsu_away)に寄稿いただきました。
文中、ツライ内容も盛り込まれていますが、ご一読のうえ、教育制度・部活動問題について今一度考えていただくきっかけとなれば幸いです。
もくじ
ブラック部活顧問はおかしい!学校は勉強するための場所なのに
学校は勉強するための場所である。
私自身、運動部に所属していたが、部活はあくまで「おまけ」であり、部活に精を出した結果、勉強がおろそかになっては本末転倒だと生徒時代からずっと思ってきた。
このことは言い換えれば「おまけ」程度で済むのであれば、やりたい人だけで楽しむ部活はあっても良いということでもある。
この考えは今も変わらず持っている。
しかし、今私は部活を学校教育と切り離さなければならないと強く思っている。
ブラック部活動の現場へ
荒れている高校への赴任
学校教育から部活を切り離す、つまり部活に教員が関わらないようにしなければいけないと思うに至ったのはある公立高校への赴任がきっかけだった。
この学校が荒れた学校ということや「部活に力を入れている学校」「部活指導を頑張らないと怒られる学校」という話は赴任前からも聞いていた。
「どんな学校なんだろう?」と思って実際に赴任したら驚く光景の連続だった。
学級崩壊どころか学校崩壊しており、授業中走り回るなどする生徒らが多数いた。
ゴミ屋敷のような教室。無断欠席が横行し、クラスの半数以上がいないこともあった。
秩序が崩れ去っていた。しかしそれでも学年団は対策に動かず、各教員でなんとかしろと放置されていた。
時折、恐い顧問が生徒の胸ぐらを掴んで教室から職員室に引きずりだし、罵倒する場面や、泣いて謝る生徒に顧問が追い打ちをかける場面もあった。そして生徒を痛めつけたことを笑いのネタにする教員ら。
見ているだけで辛く、苦しく、怒りが湧いてきた。「とんでもない学校に来てしまった」と思ったのを今でも覚えている。
授業準備に力を入れるも、改善の兆しは見えず
私は生徒らが落ち着いた学校生活を送れるように、大多数を占める勉強が大嫌いな生徒らが「わかる」「できる」を経験しようと思い、指導のあり方の研究や授業準備に力を入れた。
また、汚い教室ではいけないし、掃除を生徒らにきっちりさせようとSHRが終わった瞬間、逃げる生徒を捕まえに毎日教室のドアで待機した。
他の教員は誰もそんなことしないけれど、とにかくなんとか事態を良くしたかった。
しかし、生徒の荒れっぷりは壮絶であり、手を尽くせど尽くせど虚しくなることが多かった。
こういった学校の生徒は驚くほど手のかかることが多く、日々の生徒対応や校務でもかなり手厚い対応が求められる。
その結果、毎日のように22〜23時まで在校していた。
約1時間かけて帰宅し、それでも終わらない分をなけなしの時間を使って授業準備に当てていた(私の教科は仕事量の多い教科であり、割り当てられた教科の仕事も膨大だという事情もあった)。
当時ろくに寝ることもできず、常に疲れた表情をしていたと思う。
部活に力を入れている学校とはいっても部活を見る余裕などさっぱりないというのが正直なところだった。
ブラック部活教員からいじめや嫌がらせを受ける
そんな中、私は部活熱心な体育会系教員らから嫌がらせを受けた。
私が顧問をする、未経験種目の部で、部の部員らに悪口を吹き込まれた。
体育会系教員らに取り囲まれて暴言を浴びせられることや、職員室で悪口を広められることが多々あった。
部活基準の働き方をしない私に「正しい自分が間違ったお前を正してやるんだ!」という歪んだ正義感のもと、悪意もなく嫌がらせをするのだ。
どうにもこうにもやっていられず、翌年には他の部の副顧問にしてもらった。
部活に関わる時間は減ったが、それでも運動部主顧問らがする悪事を多く目にする機会は多かった。
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ブラック部活顧問による暴言と体罰
一方で顧問による生徒への暴言・体罰は当然のようにあり、「これはお前のためなんだ」と思わせるのがうまいだけで体罰ありきの指導をしていることがよくわかった。生徒のことを「馬鹿な犬」呼ばわりしていた。
理不尽な連帯責任も頻繁にあった。
・大会の往路で道草したから部室没収
・昼休みに2年生部員が教室に不要物を持ち込んだから全部員にペナルティ
・大会前の練習にサンダルで部活に来たから「全員帰れ」
遠征合宿では生徒をホテルに置いて飲み歩いたり、風俗店に行ったりする顧問。
本当は生徒を乗せることを教育委員会が認めていないのにマイクロバスを運転していたが、酒気帯び運転ではないのかかなり怪しいところでもある。
部の練習用に新しい器具を買ってほしくてわざと破壊したり、体育教員が「授業用」と称して、部活用ではない予算を自分の部にほしいものに充てていた。
部員とのコミュニケーションと言ってアダルト動画などの卑猥な話に走っていた。
全国に存在するブラック部活顧問
これは顧問らの悪事のほんの一部であり、恐ろしいことに1人の人間があれもこれも問題のあることをしているのが実際のところである。
そんな顧問を何人も見てきた。
生徒らは手段は悪くても勝たせてくれる顧問についていく傾向があるので、こんなことをしている顧問にでも慕っていくが、顧問にかなり問題があるはずである。
ブラック部活顧問とパワハラ
ブラック部活教員の特徴その1、授業の軽視
さて、そんな部活基準で働く体育会系教員は生徒にパワハラ的指導をし、同僚に部活基準の働き方をパワハラで強要するが、部活以外の面ではどうだろうか。
彼らが授業のほぼ全てを雑談に費やし、しかもその雑談が卑猥な話や他教員を馬鹿にする内容だということは彼ら自身が認めているし、「授業なんてどうでもいい」と言って体育会系教員らで授業をサボったことを笑いのネタにしている場面を何度も見てきた。
生徒に授業の指示だけ与えてコーヒーを飲んで休憩したり、文化祭では「やれ」と指示したりするだけなので、困った生徒らは他の教員に助けを求めに行かざるを得なくなっている。
ブラック部活教員の特徴その2、生徒に他の教員の悪口を吹き込む
また、放課後になれば彼らはさっさと部活に行き、部活が終わった瞬間帰っている。
部活に来ない教員を「生徒から逃げた」とダメ教師呼ばわりして部員らに悪口を吹き込んでいることもある。
毎晩遅くまで働いている教員は部活を見る余裕がない状況の人が少なくないので、部活をしっかりしている教員よりもかえって仕事している時間は多い。
決して生徒から逃げたわけではない。
むしろ、部活が終わった瞬間帰る彼らこそやるべき仕事をやらないから他教員にしわ寄せを出しているのではないか。
しかも迷惑かけておきながら自分のこだわりの仕事をパワハラで強要するとはどういうことなのか。
ブラック部活教員の特徴その3、生徒指導は暴言・暴力ありき
生徒にしている指導についてもお世辞にもいいということはできない。
体罰・暴言ありきであるし、他教員への不信感を植え付けて、自分の話だけ聞くように仕向けているだけである。
生徒に指導するからには指導した事項がたとえ自分がいなくてもできていなければいけないが、生徒らは彼らの前でのみおとなしくするだけである。
彼らは生徒らから絶大な支持があるが、その支持を得るために人としてやってはいけないことを多々繰り返しているのである。
校内での発言力が強いブラック部活顧問
学校から部活を切り離すべし!
このような教員は多数派ではないし、日々生徒のために正しく頑張る先生方も多くいる。
しかし、数が少なくても学校を腐敗させるだけの猛毒を彼らは有している。
部活による教育的意義があるとは言っても、制御不能なほど猛威を振るう教員らがいる限り、学校に部活を残すのは危険である。
彼ら体育会系教員に密接に関係している部活を引き離し、部活を学校からなくしてしまえば、学校教育は随分良くなるのではなかろうか。
現在、教員の置かれている劣悪な労働環境を改善し、助かるという声や、これで授業や学級経営に力を入れられると喜ぶ声が聞こえてくるはずである。
学校から部活を切り離せば、教員が暴走しづらくなり、暴力的な指導が多く行われる場でもある部活が学校からなくなる。
そして、顧問が生徒として悪さをした部員を怒鳴りつける指導ではなく、担任を中心として、学年として生徒を育てられるようにしていきたい。
また、教員間に助け合いのある風土を作っていけば学校の教育機関の機能が高まるのではなかろうか。