「教員になりたいのですが、ブラックだからやめとけと親に言われます」
「それでも、学校の先生になりたいのですが…」
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たくさんの人とつながることができて嬉しいです。
最近、TwitterのDMでよくいただく、学生さんからの相談。
4月に入り、2022年卒の就職活動がだんだんと本格化していく時期ですね。
将来の進路に迷う時期でもあります。
もちろん、学校教育の現場はキビしい環境であることには間違いありません。
だからと言って将来の夢をあきらめるのか?
現場をみてからでも遅くない。
教員という仕事のきびしさ、そして得られるやりがいをこの記事にこめました!
・単なる安定や憧れだけで教員になるのはあんまりオススメしない
・それでも教員になりたいのなら覚悟をもって挑むべし
・夢をかなえた経験や、仕事に懸命に打ち込んだことは必ず役に立つ
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もくじ
教員はやめとけと言われる理由その1、ブラック労働
教員=ブラック労働 という言葉がすでに浸透しているくらい激務です。
具体的には
・拘束時間が長い
・休日出勤が多い
・生徒や保護者対応で高ストレスにさらされる
以下、実体験を交えながらくわしく解説していきます。
教員はブラック労働?拘束時間が長い
小学校の先生の3割、中学の先生の約6割が過労死ラインを超える時間外労働をしているとの報道がなされています。
*2016年の文部科学省の調査より
一日の労働時間が長い
学校によって変わりますが、定時は8時15分から16時45分まで。
というパターンが多いと思います。
が、僕の場合は7時過ぎには出勤。途中休憩時間はほぼ無しで20時過ぎには残っていましたね。
実際にTwitterでアンケートをとってみると、
教員の方に質問です
あなたの月平均の時間外労働時間は?
*休日の部活指導、授業準備や家に持ち帰っての仕事時間も含めてください
— さとる@教師からの転職 (@SatoruTeacher) March 28, 2021
定時退勤や業務の効率化への意識が高めの、Twitter界の先生たちですら、過労死ラインを超える月80時間以上の時間外労働をされている方が3割以上。
ちなみに世間一般の平均はどうなっているかといいますと、日本経済新聞社が2019年末に実施した調査によりますと、
教員との差が歴然!
月45時間未満の教員は21%、一方で世の中の平均は80%!
逆に80時間以上の過労死ラインの教員は32%、世間の数値ははわずか6%。
教員の労働環境がいかに過酷かがおわかりいただけるかと思います。
休日出勤が多い
特に運動部の顧問。
若手男性教員は高確率で運動部の顧問に配属されます。
ヘタすると競技経験がない部活をさせられる場合も。
部活のない小学校では休日出勤はないのでは? とお思いかもしれませんが、授業準備や成績処理のために土日も出勤している先生もいます。
実際に、2年目の小学校教諭の方からプライベートな時間がまったくなくて「もう転職したい」との相談をいただいたこともあります。
休憩時間が短い
文部科学省の2016年の調査によると、学級担任を持っている教員のうち1日の休憩時間の平均値は、
・小学校担任 1分
・中学校担任 2分
一応、給食の時間はありますが、配膳指導や、生徒の様子に目配りしたり、生活ノートなどの点検をしたりと、息をつくヒマはありません。
教員は給食を噛まずに流し込むので「給食は食べ物ではなく、飲み物」という笑えない冗談もあります。
僕がTwitterでとったアンケートも上記の実態を裏付けるものとなっています。
ぶっちゃけ休憩ってとれてる?
教員・元教員のみなさんに質問
あなたは実際に学校での勤務中
どれくらい休憩してますか?*勤務時間中(定時中)ですので
夕方6時にようやく休憩した時間などは含まないものとします#拡散希望— さとる@教師からの転職 (@SatoruTeacher) June 17, 2020
教員はブラック?生徒や保護者対応などで高ストレス
家庭環境の複雑化、あるいは価値観の多様化などで、児童・生徒にむけて画一的な教育を行うことが難しくなっています。
負担は教員にのしかかってきます。
そしてこればっかりは、新任配属ガチャ…によるところが多いのですが。
荒れている校区や荒れている学年、あるいは教育困難校にぶち当たると悲劇です。
午後8時から家庭訪問。
給食費の督促にいったこともありました。
ヤクザやさんまがいの保護者に、凄みをきかされたこともありました。
「先生は公務員だからええよなぁ! 恵まれてて」
そんな心無い声をかけられたこともあります。
医者(医療関係者)と銀行員(金融関係)と教員は飲み会が激しいと言われますが、高ストレスのうっぷんをお酒でなんとか紛らわしている。
ストレスのせいでうつ病や、50歳でガンが発覚!なんて話は職員室でとてもよく聞きます。
教員はやめとけと言われる理由その2、将来性がない
この記事を書いている2020年3月、日本はコロナウイルス感染症の恐怖が蔓延しており、企業活動は停止、今後は東京オリンピックを待たずして日本は不景気に入っていくことが予想されます。
「不景気は教員、特に公務員関係ないじゃん」
直接的にはそうですが、不景気になると自治体は税収が減るので、確実に教育予算も削られます。
そうなると、教員の定数削減など、教育の現場はますますキツくなっていく可能性もあります。
教員はやめとけと言われる理由その3、つぶしが効かない
ぶっちゃけ、教員からの転職はできますがなかなか厳しい道のりです。
僕自身、何回もお祈りメールをもらい、面接でも敗退し、心が折れかけました。
逆に民間から教員への転職はスムーズにいくケースが多い。
迷っているあなたは、一度民間企業を経験してから教員になるという手もあります。
教員になってよかったこと、その1生徒の成長を感じられる
さて、教員をディスるのはこれくらいにしまして、次は教員になってよかったこと、いってみましょう!
まずは、生徒の成長を感じられること。
小学生のあどけない面影が残る中学1年生が成長して、いっぱしの顔つきで卒業していく。
いろんな先生が述べてますが、特に卒業式は感動します。
1年間の苦労が報わえる瞬間です!
「旅立ちの日に」の合唱とかいいですよね、うるっときます。
(すいません、古い人間で)
教員になってよかったこと、その2生徒に一生覚えてもらえる
僕は自分の生活圏と、元の勤務校の校区が近いのでいまでもたまーに元教え子から声をかけられることがあります。
ヤンキーで先生泣かせだった女の子が赤ちゃん抱いて見せてくれた時は、とても感動しました。
また、教え子に「僕、教員めざします!」なんて言われた日にはめちゃめちゃうれしいです。
(大丈夫かな…激務だよ、と心の中で葛藤があることは事実ですが、選択したことは応援してあげたいです)
教え子の人生によくもわるくも影響を与える。
教員のやりがいでもあり、また怖さでもあると思います。
教員になってよかったこと、その3自らの成功体験にもつながる
・教員免許を取得するだけでも大変
・教採試験突破がまた大変
・教員の世界でやっていくのがさらに大変
というわけで、自分の夢を叶えたという自信。
ブラック労働(失礼!)のなかでもやっていけるという自信は、人生の局面でかならず役に立つ時がきます。
まとめ、教員になるのはやめとけ!と親にいわれたら
自分の息子が「ぼく、学校の先生になりたい」といったらなんて答えるかな。
そんなことをふと考えてみました。
教育の過酷な現場を知ってるだけに、「やめとけ」と言ってしまいそうです。
それでも、親や周囲からの言葉やネットの情報だけであきらめてしまうのでしょうか?
・学校ボランティア
・教育実習
などで、教育の世界をのぞいてみることも可能です。
文科省もいちおう、教員の働き方改革にむけてようやく重い腰をあげようとしてます。
SNSやブログなどで、有益な教育実践を発信している先生たちもたくさんいます。
人生は長いです。
でも一度きりです。
正しい選択肢をえらぶのではなく、自分が選んだ選択肢を正解にもっていく。
それでも自分に合わなかったら軌道修正すればいい。
教員をめざそうか悩んでいる学生さんたちへ。
あなたの選択がよきものになるよう、かつて教育の現場にいたイチ先輩として、あなたの活躍を祈念しています。
「教育学部から民間企業への就職も考えている」
「教育系学部って、就活では不利なのかな?」
という方はコチラの記事もご参照ください。↓