教員生活

給特法改正と変形労働時間制についてわかりやすく解説!いつから施行?

教員 給特法 わかりやすく

「教員は残業が出ないって本当なの?」

「給特法という法律の名前をチラッと聞いたことがあるけど、どんな内容なんだろう?」

さとる
さとる
こんにちは、「教員からの転職」をテーマに発信をしている元中学教員のさとる(@SatoruTeacher)といいます。

Twitterのフォロワーはおかげさまで3,300人以上。
たくさんの人とつながることができて嬉しいです。

今回は何かと話題の給特法についてわかりやすく書いてみます。

公立学校の先生たちがどれだけ働いても残業代が出ないのは、給特法という法律がもとになっています。

給特法改正案については、2019年秋の臨時国会で審議成立しました。

実際にいつから導入されるのか?

働き方改革に関する条項について、2020年4月から
変形労働時間制の条項については、2021年4月から、施行されます。

さとる
さとる
そもそも、給特法ってなんなのか、労働基準法って何なのか、わからないまま教員やってました(恥)

わからないなりに色々と調べて、頭が沸騰しそうです(笑)

給特法って何? どんなことが問題にあがっているの?
という人に向けて、なるべくかみ砕いてご説明していきたいと思います。

*法解釈についてはネットの情報を元に法学部出身の方に監修いただきましたが、間違っている点、わかりにくい点があればご指摘いただけると助かります

スポンサーリンク



給特法改正についてわかりやすく解説する前に、まずは労働基準法を理解しよう

退職代行 教員 弁護士

給特法、正式には「公立学校教育職員の給与等に関する特別措置法」

これは我が国の労働者について労働時間や休日、給与などを定めた労働基準法の特別法です。

つまり、基本は労働基準法で、特別な箇所だけ給特法を適用するよ、という仕組みになっています。

特別な箇所とは、主に労働時間給与について。

ますは、世間一般で適用されている労働基準法を理解しましょう。

給特法改正に向けて~教員と労働基準法~

労働基準法 第32条

(1)使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。

(2)使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について8時間を超えて、労働させてはならない。

簡単にいうと、1週間の労働時間は40時間までだよ。

1日の労働時間は8時間までだよ(休憩のぞく)。

これが大原則です!

さとる
さとる
あれ? 残業すると1日8時間以上働いているよね??

そこでこちらの条文が適用されます。

労働基準法 第36条 (一部抜粋)

使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合においては、労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる

いわゆる36協定(サブロクキョウテイ)と呼ばれるものです。

頭が沸騰した方、落ち着いてください(笑)、ちゃんと整理します。

労働組合がある場合は、組合との協定

労働組合が職場にない場合は過半数を代表する者との協定

があれば、使用者は労働時間を延長することができる。

これが、世間一般で適用されている時間外労働に関する規定です。

教員 労働基準法

給特法が成立したのはいつから?

文部科学省HP 昭和46年給特法制定の背景

高度経済成長、そして人口が増え始めた昭和40年頃から、教員の超過勤務に対する訴訟が相次いてきました。

そこで国は、一つの法案を打ち出します。

それが給特法です。

さとる
さとる
給料4%プラスしたるから、訴訟はやめてや。
そんな国の思惑が透けて見えるような……

●時間外勤務手当は支給しない

●給与月額の4%教職調整額として支給する

校長が教員に時間外勤務を命じることができるのは、4項目かつ臨時・緊急時のみ

4項目とは

■生徒の実習
■学校行事
■職員会議
■非常災害等やむをえない場合に必要な業務

です。

しかも、4項目に該当し、かつ臨時緊急時のみ、ですので、

明日に回してもいい職員会議、なんかは該当しません(一応、法律上は)

では、実際現場で働いている先生方はどうでしょう?

「テストの採点のために家に答案用紙を持ち帰って残業してる」
(家で働いていても、当然『残業』です)

「部活指導のため、平日も定時を超えて働き、土日も出勤している」

特に部活は超勤4項目には該当しないのに、今なお多くの教員が部活指導のため、本来定められている労働時間を大幅に超えて、働いているのが現状です。

いわば、先生たちの自発的なボランティアによってなんとか支えられてきた日本の教育制度。

しかし、この制度は崩れつつあります。

給特法のデメリット、相次ぐ教員の過労死・病気休職

担当授業の準備、部活動指導、保護者対応など
年々増加する仕事量、そして勤務時間、疲弊していく現場。

現在、病気等で求職している教員は全国に5000人以上いると報道されています。

また、2007年から2016年までの10年間で少なくとも63人の公立学校の教職員が過労死と認定されています。(実数はもっと多いでしょう)
スポンサーリンク

給特法改正の概要

では、給特法は2019年の臨時国会でどのように改正されたのでしょうか?

現段階でわかっている情報をまとめておきます。(2020年2月11日追記)

参考)教員の労働時間を柔軟に、文科省法案を提出へ 日経新聞オンライン

・1年単位の変形時間労働制の導入

・残業上限(月45時間:年間360時間)とする指針の遵守

・部活動指導員、授業準備などを手伝う外部スタッフを拡充

また、文科省の進める働き方改革についても概要が報道されています。

・部活動、授業準備なども勤務時間に含め、タイムカードで管理

・部活指導員、授業準備などを手伝うスタッフや外部人材を拡充

・教員向けパソコン配備をすすめ、業務を効率化

給特法改正、変形労働時間制について

教員 変形時間労働

出典:朝日新聞デジタル

変形労働時間制とは、グラフにするとこんな感じです↑

例えば、繁忙期は19時までの勤務、その代わり夏休みなどの比較的余裕がある時期は、15時までの勤務とする。

1年間トータルで労働時間が適切になるように調整をする。

そうなると厳しくなるのは、子どもを保育園に預けているパパママ教員や介護事情等を抱えている教員ですが…

個別の事情等を抱える教員は、除外となる見通しです。

給特法改正、条例で決まる具体的な中身

実際の給与や労働時間については、各都道府県や市町村が決める「条例」にもとづいて定められています。

たとえば、京都府でしたら「職員の給与に関する条例(昭和31年)」というものがあります。

さとる
さとる
上記を読んでるだけでめまいがしてきますね(苦笑)

給特法改正にもとづいて、各自治体も条例を改正していくわけですね。

変形労働時間制についても、実際に導入するかは各自治体の判断によるとされています。

給特法改正、文部科学省ホームページより

文部科学省ホームページの「公立学校の校長先生のためのやさしい!勤務時間管理講座」というページに、変形労働時間制の説明がなされています。

文科省様の公式見解、ということはおそらくこの通りに法案が提出される可能性が高いです。

以下、資料を抜粋して掲載させていだだきます。

教員 変形労働時間制 教員 文部科学省 変形労働時間制

給特法はどのように改正すべきか?

・変形労働時間制は勤務時間が増えるだけだ
・罰則なしの「指針」はそもそも機能するのか?

というツッコミ所満載の給特法改正案ですが、

では、どのように改正すれば、教育の現場はもっとよくなるのでしょうか?

ネット上の声は主に2種類に分かれています。(と僕は勝手に思ってます)

(1)給特法を廃止する

給特法を廃止し、当記事の一番最初に紹介した労働基準法を適用する。
つまり、民間企業や公務員行政職などと同じ基準を適用する。

月45時間以上の労働時間の禁止で超過労働を抑えます。

ちなみに民間企業では、すでに2019年4月より罰則つきの規定になっています。

(大企業は2019年4月から、中小企業は2020年4月から施行)

出典:厚生労働省ホームページ

教員の労働時間規制

・時間外労働は、原則月45時間 年間360時間まで
・特別な事情がある場合は、年間720時間まで(ただし要件が厳しい)
・違反した場合は6ヶ月以内の懲役または30万円以下の罰金

■メリット
労働時間に対して残業代がきちんと支払われる
残業代がかかることで、管理職・教育委員会・自治体も残業抑制する方向で動く

■デメリット
財源が無い
教員の残業代をきちんと支払おうとすると年間約1兆円の予算が必要との試算あり

(2)給特法を守る

給特法はきちんと適用すれば、超勤4項目かつ緊急と認めた場合以外は時間外労働を命じてはならない、とむしろ残業時間抑制につながります。

現行制度のまま、業務内容を精査し、働き方改革を推し進める考えです。

部活動も超勤4項目を盾に拒否できます。

もちろん、変形労働時間制は導入しない方向で。

参考 生徒の心に火を付けるブログ 藤野先生

■メリット
きちんと適用できれば、残業時間の抑制につながる
超勤4項目に該当しない業務(特に部活)はやらなくてすむ

■気になる点
すでに法律違反が横行している現在の制度をきちんと守れるのか?

給特法改正に対する僕の意見

(1)と(2)どちらが優れているというわけではなく、教育の現場をなんとかしたいという思いはみなさん一緒ですし、何より変形労働時間制はアカンやろという考えでは一致してます。

ちなみに僕は(1)の給特法廃止派です。

民間と同じ基準を教員にも適用します。

違反した自治体や学校は労基署にチクります。
同時にマスコミにもリークして、ぶっ叩いてもらいます。

違反した教育長や管理職はどんどんブタ箱にぶちこみます。
(実際には執行猶予かな)

ちなみに労基署はちゃんとした証拠があれば結構動いてくれますよ

僕が現在つとめている会社も10年以上前に労基署が入ったらしいです(笑)
その後、たくさんの改善や労使交渉をへて、現在ではホワイトとも呼べる職場になっています。

部活は「部活動ガイドライン」を厳格適用して、週3くらいのゆる部活にします。
大会も減らしましょう!
それ以上練習したければ、よそでやってくれ。

財源? 消費税もう一回上げたらいいやん(極論です)
またはお年寄りへいく介護・健康保険関連の費用を減らします(極論です)

日本の未来を創るためには、これくらい思い切った政策が必要だと思っています。

ご意見・ご感想・拡散・いいね等お待ちしてます

ご意見・感想などは、管理人さとるのTwitter(@SatoruTeacher)までぜひお寄せください。

ただ、短い文字だけで表現するTwitterは情報収集や問題提起には有効だけど、議論には向かないというのが僕のスタンスなので、あんまり厳しい意見が来た時はバックレる可能性があります(笑)すいません。

SNSでのシェア等いつもありがとうございます!
ポチッとしていただけると、とても励みになります。

教員 変形時間労働制
教員の変形時間労働制のメリットは?導入校で実際に話を聞いたらヤバかった公立学校で1年単位の変形労働時間制を導入しようとする動きが着々と進んできています。 今年(2019年)の臨時国会で法案が通れば、2...