「特別支援学校の教員をやっているけど、もう辞めたい」
「同僚との関係がつらすぎる……」
「転職以外にも道はないのかな……」
そんなあなたのための記事を書きました。
現在は企業の採用面接や新人教育も担当しています。
「教師からの転職」をテーマに発信しつづけた結果、
Twitter(@SatoruTeacher)のフォロワーさんは5,000人以上!
おかげさまでたくさんの人とつながることができて嬉しいです。
僕は今まで、のべ200人以上の学校の先生の転職相談を受けてきました。
その中には特別支援学校の教員の方もたくさんおられます。
今回の記事では、実際に支援学校でお勤めの方に監修をいただきながら、仕事を辞めたいと思う主な理由と、解決方法をまとめました。
・データでみる、特別支援学校の教員の過酷な現実
・辞めたい主な理由(とにかく忙しい、同僚との関係、保護者との関係、生徒との関係など)
そして、具体的な解決策はコチラ
- 管理職に相談してみる
- 校種の異動を検討する
- 先輩たちの実践を真似する
の3点です。
そして、それでも解決ができそうにない場合は、休職や転職という手段もあります。
毎日、仕事にいくのがイヤだ! と自分を追い詰めていませんか?
無理に我慢するだけが、選択肢ではないんです!
この記事を最後までお読みいただける頃には、あなたの心の負担が少し軽くなって、次の進むべき道が見えてきますよ。
●教員を辞めたいと思うあなたへ
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もくじ
特別支援学校の教員を辞めたい、過酷な現実
精神疾患の教員が多い学校
特別支援学校の先生たちの現状はどうなっているのでしょうか?
自分だけが、
「辞めたいと思っているのでは…」
「もしかしたら甘えているのかも…」と気にしていませんか?
データを紐解いてみると、先生たちの過酷な現実が浮き彫りになってきます。
例えば、心身を壊してしまい休職している先生の割合も、特別支援学校の先生達は高位にあるのです。
文部科学省のデータからも明らか
実際に、令和2年度の教員の精神疾患(うつ病、統合失調症など)の状況は以下の通りです。
出典:「令和2年度公立学校教員の人事行政状況調査」文部科学省
実は、特別支援学校の先生たちは、精神疾患による求職している人の割合が、他校種と比べて突出して多いのです。
実際に休職している人がこれだけいますので、「仕事がしんどい、辞めたい」と思っている人は、この5倍~10倍以上はいることでしょう。
つらいと思っているのは、あなただけではありません。
特別支援学校の教員を辞めたい、とにかく忙しい
仕事量は通常学級と同じように多い
「小中学校と比べると、担任の生徒の人数も少ないし、余裕でしょ」
と揶揄される特別支援学校の教員ですが、決してヒマなわけではありません。
むしろ、生徒一人一人の発達具合に気を使い、事故が起きないように目を配り、行政や医療機関との連携もしながら、保護者とも対応してく、という非常に多忙な日々を送っています。
子どもに応じた指導方法は様々
また教材づくりも、生徒一人ひとりの発達に応じたものが必要になってきます。
土日も学校のことが頭から離れない、などよく聞く話です。
多忙を理由に、教員をやめたいと思う人は非常に多いです。
特別支援学校の教員を辞めたい、同僚との関係
どんな学校にも共通することですが、人間関係で仕事を辞めたいと思う教員はとても多いです。
一説によると、仕事の悩みの半分以上は人間関係に起因するとも言われています。
複数で担任を持つことも多い
特別支援学校の場合は、その性質上複数人で担任をすることも多く、担任同士で関わる機会も密になります。
1年間は人間関係が拘束されるわけですので、ペアを組む先生が合わないと地獄です。
まさに逃げ場のない状況に追い込まれてしまいます。
同僚がヤバい
もちろん全員がそうではないのですが、他の校種で問題アリと判定された教員が特支に流れてくる、といった現状もあります。
僕が実際に見聞きした、ヤバい先生の実例です。
・複数の同僚から合計100万円以上の借金をして、しかも返済が滞っている中年男性教員。
・過去に児童へのわいせつ事件の疑いがあり、証拠不十分で処分にはならなかったが、「生徒と2人きりにしないように」と管理職に申し送りがされている
・同じ学年を組んだ若手が次々と辞めていく、ヒステリックなベテラン女性教員
人間的にかなり「ヤバい」人たちが身近にいることで、ストレスになり、コミュニケーションにも支障をきたしたりと、追い込まれてしまう先生たちもいます。
特別支援学校の教員を辞めたい、保護者との関係
保護者との関係づくりも大変
特別支援学校に通う子どもたちは、いわゆる通常学級の児童・生徒とは発達の度合いが異なります。
我が子の成長に不安を抱えてしまい、どうしていいかわからず、行き場のない思いを抱えてらっしゃる保護者も多くいます。
他の兄弟との関係で問題を抱えていたり、中には虐待やネグレクトなどが疑われるケースも。
不安に思っている保護者は多い
また、障害をお持ちのお子さんの未来は、必ずしも明るいものとは限りません。
国の福祉政策に関わる補助金なども、年々打ち切りの傾向が見られます。
未来のことを考えると不安になってしまい、教員にぶつけてしまうという保護者も。
日本という国の衰退が、特別支援教育にも暗い影を落としています。
特別支援学校の教員を辞めたい、生徒が可愛く思えない
特支の道を志したものの、厳しい現実を目の当たりにして「辞めたい」と思ってしまう先生たちも多くいます。
糞尿などの処理が大変
実際には、特支の教員の仕事は、教育というよりは介護や福祉の仕事に近い、とよく言われます。
教育実習などである程度見聞きしていたものの、現実にぶつかり心が折れてしまう。
実際に教員になってみると、「こんなはずじゃなかった」「ずっとこんな日々が続くと思うとやりきれない」と思ってしまう先生たちはいます。
生徒に怪我をさせられる場合も
中学部、高等部の生徒ともなると、力も非常に強く、また発達具合によっては加減ができないなどで、業務中に教員がケガを負う場合もあります。
生徒に悪気があるわけではないのですが、仕事には危険が伴います。
その後PTSDを発症してしまい、結果として退職に追い込まれるケースも。
特別支援学校の教員を辞めたい人へのアドバイス
ここまで、特支の先生たちが「辞めたい」と思う理由を深堀りしてきました。
それでは、実際に「辞めたい」と思うあなたに、まずは転職以外にこうしたらというアドバイスをさせていただきます。
- 管理職への相談
- 本を通じて偉大な先輩たちの実践にふれる
- 校種の異動を検討する
ひとつずつ、解説していきます。
管理職に相談してみる
問題やトラブルはひとりで抱えこまずに、まずは校長、副校長などの管理職や、学年主任の先生に相談することをおすすめします。
校長や管理職は学校運営の最終決定権者であり、実はたくさんの権限をもっています。
クラス替えや配置換え、保護者とのトラブルを最終解決する道筋も管理職の仕事です。
まずは、報告・相談することで、あなたの抱えている問題が解決する可能性があります。
ただし、教員の仕事の多忙化は年々進んでおり、管理職も充分に対応しきれないケースもあります。
先輩たちの実践を真似してみる
教材研究の時間が足りない、人間関係でトラブルを抱えている。
過去、同じように悩み、実践を重ねてきた先生たちが多くいます。
直接会って話すことは難しくても、「書籍」を読むことで、先人たちの考えにふれ、行動を変えることができます。
ここでは、当ブログで実際にインタビューさせていただいた先生たちの著書をご紹介します。
さる先生の「全部やろうはバカヤロウ 実践編」
Twitterで3万人以上のフォロワーをもつ教員の働き方改革のパイオニア、さる先生(坂本良晶さん@saruesteacher)
時間がない、学級運営で悩む先生たちの道しるべとなっています。
豊富な図解とQRコードから動画を読み込むこともでき、非常にわかりやすく実践につながる本です。
「職員室のモノ、1トン捨てたら残業減りました」
現在は小学校の先生を退職され、教育系ITの道に進まれたななつめのやつはし(@nanatumeno8284)さんの著書です。
「捨てる」から始まる働き方改革を提唱されておられます。
あなたの悩みを解決するキーになるかもしれません。
別の校種への異動を検討する
もし、他の校種の免許を取得されているのであれば、他の校種への異動を検討するのもありです。
こちらも管理職との面談や、調査書などを通して希望を提出するのが一般的です。
異動は基本的に年1回で、必ずしも希望が叶うとは限りません。
また、どの校種の先生もそれぞれ悩みを抱えています。
小学校の教員
すべての教科を教える必要があり、保護者との関係も密であるため、働く時間が長く、いわゆるモンスターペアレントなどの対応で悩む先生が多いです。
中学校の教員
何を隠そう、僕は元中学教員です。
生徒も非常に多感な時期で、思春期ならではの悩みも多く残業時間は全校種の中でも多め。
特に若手は運動部の指導を任される場面も多いため、ワークライフバランスをとるのは難しくなります。
高校の教員
部活指導がない、もしくは地方都市などの高校は、比較的教員の中でもホワイト労働だといわれています。
進学校ですと、実績へのプレッシャーや逆に偏差値が低い高校ですと就職先への対応や、家庭環境へのトラブルにも対処する必要はあります。
特別支援学校の教員を辞めたいなら、転職もあり
ここまで、転職以外の選択肢を見てきました。
あなたが、それでも「辞めたい」という気持ちが強いのなら思い切って転職を考えるのもありです。
実際に特別支援学校の教員を辞めて、次のスタージで活き活きと働いている方もたくさんおられます。
転職活動といっても、「もう仕事を辞めてやる!」とえいやあと清水の舞台から飛び降りて退路を断つわけではありません。
働きながら、次の仕事を見つけるのならノーリスクです。
教員という安定した身分を保持したまま、次の道を探ることができます。
特別支援学校の教員の主な転職先
その中でも、特別支援学校の教員から特に多い転職先をピックアップしてご紹介します。
放課後等デイサービス
いわゆる、障害をもった児童のための学童。
転職サイトでも求人が募集されています。
運営母体は民間が行っているものや、非営利法人や自治体が管理しているものまで様々。
教育関連
そのほか、教員の方は今までのスキルやキャリアを活かして、教育関連の仕事に転職される方がもっとも多いです。
ひとくちに、教育関連といっても実にさまざまな転職先があります。
- 学習塾の講師
- 教育系の営業職
- 教育系IT職
- 児童支援員
- 家庭教師
- 保育士
- インストラクター など
それぞれの特徴や気になる点は、以下の記事で詳しく解説しています。
興味のある部分だけでも、さっと読んでみるとあなたの視野が広がりますよ。
異業種への転職もできる
あなたがまだ20代や30代前半で、特別支援学校の教員を辞めたいと思っているのなら、未経験の異業種へ転職することもできます。
- ITエンジニア
- WEBマーケター
- 人材関連の営業職
- インテリアコーディネーター
- 公務員の行政職 など
何を隠そう、僕は中学教員から31歳の時に機械メーカーの営業職へ転職しました。
特別支援学校の教員を辞めたい場合様々な選択肢がある
ここまで読み進めていただき、ありがとうございました。
・特別支援学校の教員の過酷な現状
・あなただけじゃない、特支の教員が辞めたい理由
・管理職への相談、先輩の実践に学ぶ、校種を変えるなど転職以外の解決策
・転職活動してみるのもアリ
と、あなたは単に「辞めたい」「もう仕事に行きたくない」という日々からサヨナラして、様々な選択肢をもつことができました。
ここからはぜひ、行動に移してみることをおすすめします。
今まで話せなかった管理職に相談を持ちかけてみる、書店で気になった本を読んでみる、転職サイトに登録してみる。
どれも立派な第一歩です。
一度しかない人生だからこそ、ぜひとも悔いのない選択をしてください。