「教員から転職したいけど、営業職にいくのは不安」
「自分には事務職が向いていると思うんだけどなあ…」
「実際に民間の事務職へ転職した人の体験が知りたい」
今回はそんなあなたのための体験談をご用意しました。
20代で中学教員から民間企業の事務職へと転職したこあらさん(@koalanateacher)、からいただいた体験談です。
こあらさん プロフィール
・29歳 女性 元中学教員
・愛知教育大学を卒業後、新卒で中学教員に
・生徒指導や校務分掌に追われ、月の最高残業時間は150時間を超えたことも
・教員7年目の時に働きながら転職活動を開始
・現在は中小企業の事務職として、経理・労務・IT系の仕事で活躍中
特に女性で転職しようか迷っているあなた、事務職への転職に興味があるあなたにとっては、お読みいただければきっと心の迷いが晴れてくることでしょう。
<この記事をまとめた人>
現在は企業の採用面接や新人教育も担当しています。
「教師からの転職」をテーマに発信しつづけた結果、
Twitter(@SatoruTeacher)のフォロワーさんは5,000人以上!
おかげさまでたくさんの人とつながることができて嬉しいです。
もくじ
教員から民間の事務職へ転職した体験談
教員になろうと思ったキッカケ、志望した動機
教育大に進学したものの、4年次には民間企業を志望しており、選考も何社か受けていました。
教員に進路変更したきっかけは、教育実習です。担当教官がとても熱心な方でした。
生徒が自然と笑顔になる明るい雰囲気で授業をしたり、生徒の悩みに親身に寄り添ったりしていて、自分もそうなりたいと思い教員採用試験を受けました。
教員時代の思い出
よかったことは、生徒の笑顔や一生懸命な姿を近くで見ることができたことです。
内気だった子が野外学習で部屋長に立候補してくれた時は、とても嬉しかったです。
休み時間に生徒と一緒に遊んだり、雑談したりするのも楽しかったです。
つらかったことは、生徒指導や学級経営がとても苦手で同僚に迷惑をかけてしまったことです。
教員から転職しようと思った理由
転職しようと思った理由は、3つあります。
・教員に向いてないと思った
・時代錯誤の教育現場
・月100時間以上の超時間労働
1つ目は、自分は教員に向いていないと思ったからです。
私は、教員の仕事の核となる生徒指導と学級経営がとても苦手でした。
生徒指導や学級経営は臨機応変な対応が求められるため、コツコツ努力型の自分には向いていませんでした。
7年教員を続けましたが、生徒指導や学級経営は要領が全くつかめず、その後の教員生活が不安でした。
もっと自分の向いている仕事に就きたいと思い、転職を決意しました。
2つ目は、時代の変化に全然対応できていない教育現場で働き続けることに不安を感じたからです。
民間企業に比べてIT化も遅れています。
女子の制服はスカートのみなど生徒を必要以上に苦しめる校則もあります。
世間から取り残されている感じがしました。
3つ目は、長時間労働です。1ヶ月の残業が158時間だったこともありました。
自分の健康が心配で長く続けられる仕事ではないな、と痛感しました。
転職活動をしてよかったこと
転職活動での良かったことは、元教員でも雇ってもらえる会社があることが分かったことです。
転職活動をする前は、「教員は特殊な職業であるため、他の仕事に活かせるビジネススキルがなく、内定をもらえないのではないか?」と不安でした。
しかし、転職フェアで企業の方と話したり、転職エージェントに職務経歴書の書き方のアドバイスを受けて経験を積むことができました。
自分が今まで教員の仕事の中で身につけたスキルを評価してくれる会社があることが分かりとても安心しました。
教員から事務職へ転職活動中に苦労したこと
転職活動の苦労は、3つあります。
・教員との仕事の両立
・事務系求人の倍率の高さ
・ペーパードライバーだったので応募できる仕事が限られた
教員の仕事と転職活動の両立は大変
1つ目は、教員の仕事との両立です。
昨年度は異動1年目で校務分掌が少なかったり、コロナ禍で行事が中止になったりしたのでなんとか両立できました。
でも、他の年だったら両立できなかったと思います。
また、選考のスケジュール調整も大変でした。
教員は平日に休みを取ることが困難のため、祝日や土曜日も選考を行なっている会社しか受けられませんでした。
転職をするにあたって、「内定をもらってから勤務校に退職を申し出るか、内定をもらう前にとりあえず先に勤務校に退職を申し出るか」と悩む方は多いと思います。
私の場合は、内定をもらう前に勤務校に退職を申し出ました。
教員の仕事は忙しく休みも取れないので、転職活動と両立することは難しいと考えたからです。
退職してから1年くらいは無職で転職活動をする覚悟だったので、退職前の2年間は節約をして貯金をしました。
事務職の求人倍率は高い
2つ目は、事務職の求人の倍率の高さです。
転職エージェントに相談したところ、最近の傾向として、事務職は人気が高いため、かなり倍率が高いと言われました。
有効求人倍率(=「仕事の数(有効求人数)」÷「仕事をしたい人の数(有効求職者数)」)は、なんと0.15倍だそうです!
企業から求人広告が出たら即応募しないと定員が埋まってしまうそうです。
事務職以外の職種の求人にも幅を広げた方が良いともアドバイスをもらいました。
私の場合は、都市部は諦めて地方を狙って事務職の求人を探したり、事務職以外で自分ができそうな職種の求人広告もチェックしたりしていました。
ペーパードライバーのため求人が限られていた
3つ目は、ペーパードライバーのため応募できる仕事が限られていたことです。
企業の求人の募集要項を見ると、必須条件に運転免許と書いてあるものが結構多かったです。
私は運転免許を持ってはいましたが、自動車学校を卒業した後に1度も運転していなかったので応募できる仕事が限られていました。
でも、最近は出張型のペーパードライバー教習や自動車学校のペーパードライバー講習が充実しています。
いざとなったらペーパードライバーを克服できるのであまり心配しなくて大丈夫だと思います。
特に出張型のペーパードライバー教習は、休日も受けられるのでオススメです。
教員から事務職へ実際に転職してみて
給料が予想より低かった
給料がイメージよりも低かったです。
転職フェアの企業サイトでは、24万円と書いてありました。
しかし、内定を頂いたときに渡された「労働条件通知書兼雇用契約書」には、21万円と書いてありました。
事務職なら21万円でも良い方なので、内定を承諾しました。
思っていたよりホワイト企業
また、実際に働いてみて、思っていた以上にホワイト企業でびっくりしました。
・始業時間前に働かなくてよい
・持ち帰り仕事や休日出勤はゼロ
・昼休みがきっちり1時間取れる
ほんとに感動しました!
特にすごいなと思ったのが、コロナウイルスのワクチン接種や副作用で会社を休む時は特別休暇扱いで、有給を使わなくて良い点でした。
また、有給を取るときに理由を言わなくて良いのもありがたいです。
残業はたまに発生
残業については、入る前のイメージよりも多かったです。
面接では、「毎日17時に帰って良い」と言われましたが、人手不足で19時になることもたまにありました。
その分残業代が出るし、19時なんて教員を経験した自分からしたら全然早い方なので問題ないです。
車の運転は出来たほうがよい
また、面接では「車の運転ができなくても全然大丈夫」と言われました。
しかし入社して仕事をしてみると車の運転ができないと少し不便なことがわかりました。
同僚に運転をお願いすることもできますが、毎回申し訳ないので、ペーパードライバー講習を受けています。
会社から強制されたわけではありませんが、次に転職する必要があったときのためにもペーパードライバーを克服しておきたいと思い、自主的に講習を受けています。
教員から民間企業の事務職へ転職するためのコツ
転職する上での優先順位をつける
今回の転職で最優先で改善したいこと、何を捨てるのかを明確にしたことです。
(項目は、年収を上げる、業務内容、ワークライフバランス、勤務地、社風 など)
私の場合は、
・自分が教員の仕事に向いていなくて辛い
・学校現場が時代に柔軟にできていなくて辛い
というのが最も改善したい点でした。
そのため、優先順位は、
①仕事内容
②社風
③ワークライフバランス
④年収(300万円以上)
⑤勤務地(片道1時間半まで。公共交通機関で通える。駅から徒歩25分までなら許容範囲内。)
となりました。
自分自身の希望を明確にすることで、的を絞って求人に応募できて効率よく転職活動を進めることができます。
また、明確な希望を転職エージェントに伝えることで、自分に合った求人を紹介してもらうことができました。
転職理由や志望動機の上手な語り方
転職エージェントと相談しながら、転職理由を前向きに伝えられるよう考えました。
前述した通り私の転職理由は、
①教員に向いていない
②学校が時代に対応できていない
③長時間労働
だったのですが、①はあまり言わずに②を多く語るようにしました。
「時代に柔軟に対応した仕事をしたい」という前向きな転職理由を全面に出しました。
また、長時間労働についても、単に「残業したくない」ではなく、「ある程度の残業は大丈夫だが、前職で月100時間以上残業があり健康面が心配だった。」と話しました。
教員から事務職へ転職するのにおすすめの転職エージェント
大手はdodaとリクルートを併用
doda転職エージェントとリクルートエージェント、名大社転職エージェントを使用しました。
doda転職エージェントとリクルートエージェントは、電話やzoomで相談できたのでとても便利でした。
また、休日や平日の遅い時間(19:30など)も対応してもらえるので助かりました。
doda転職エージェントは、職務経歴書を添削してくれたり、自分に合った求人をいくつかピックアップしてくれたり、かなり色々やってくれて助かりました。
リクルートエージェントは、自分が今までにやってきた教員の仕事の話を丁寧に聞いてくれました。
身に付けたスキルをうまく言語化してくれてとてもありがたかったです。
自信をつけてもらえたし、職務経歴書の自己PRもしっかりと書けました。
東海3県への転職なら名大社もおすすめ
名大社(めいだいしゃ)転職エージェントは、事務所で面談を受けました。
求人を紹介してもらえたり、職務経歴書の書き方のアドバイスをしてもらえたりしてよかったです。
面接の日程を取りづらいのと、事務所まで行かなければならないのが難点です。
名大社については、転職エージェントよりも転職フェアの方が個人的にはおすすめです。
まとめ、転職を志す教員へひとこと
教員から民間へアピールできる点はたくさん
「教員から転職できるのか?」と不安で、なかなか転職に踏み出せない方は多いと思います。
私もそうでした。でも、教員の仕事をしていると、知らないうちに色々なスキルが身についているものです。
例えば、
・納期から逆算して計画的に物事を進める力(授業や行事を計画的に行っている)
・先を想定して事前に段取りをする力(思った通りに生徒が動かない場合やトラブルを想定した上で行事などの案を作る)
・電話対応力(保護者とほぼ毎日電話)
・交渉力(保護者対応や同僚)など。
アピールできる点は十分にあります。
まずは企業の人の話を聞いてみよう
ちょっとでも転職したいなぁと迷っている人は、まずは「転職フェア」に1度足を運んでみることがおすすめです。
企業の人と話してみると、「転職できそう」と思ったり、「やっぱり教員の仕事を続けようかな」と思ったり。
自分の迷いに対する答えが見えてくるかもしれません。
また、下調べがいらなかったり、土曜日も開催していたりして、忙しい教員にも参加しやすいです。
いきなり退職をするのは勇気がいるし、リスクが大きすぎます。小さいことから始めてみましょう。