「教師以外にも民間企業への就職も考えている」
「教育学部って民間就職は不利って聞いたけど、ホントなの?」
「教員はブラックって聞いたし、副業もできないし、民間就職も気になる」
今回はそんなあなたの疑問にお答えする記事を書きました。
現在は企業の採用面接や新人教育も担当しています。
「教師からの転職」をテーマに発信しつづけた結果、
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おかげさまでたくさんの人とつながることができて嬉しいです。
教育学部に在籍している学生さんの中には
「教員になる以外の道はないのかな…」
「教員になる気がなくなってきた…」
と悩む人もたくさんいますよね。
結論から先に言うと「無理に教員になる必要はありません」
なぜなら、教育学部を卒業して様々な業界の民間企業で活躍している先輩が、過去にたくさんいるからです。
・主な大学の教育系学部の就職先
・教育学部から就活する際のアピールポイント
・教員にならない理由を突っ込まれた時にどう説明するか?
・教師以外にどんな業界があるのか? おすすめの就職先は?
また、一度民間企業を経験してから教員になるという道もあります。
「様々な業界を見ておくこと」は人生の選択肢を広げる意味でもとても大切なこと。
教師以外の道はたくさん存在します!
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もくじ
教育学部の教師以外の就職先、主な大学の事例
「実際に教師になる人ってどれくらいいるの?」
「先輩たちはどんな所に就職しているのかな?」
当記事ではまず、「青山学院大学(私立)」と「大阪教育大学(国立)」の進路先を分析していきます。
青山学院大学 教育人間科学部の例
青山学院大学は東京都にあるMARCHの一角を占める私立上位校です。
最近では箱根駅伝のフレッシュグリーンのユニフォームでもすっかりおなじみになりましたね。
教育系の学部は「教育人間科学部」という名称になっており、2019年度は男子87名、女子236名(計323名)が卒業しています。
青山学院大学 教育人間科学部の就職業種(2019年)
まずは、教育人間科学部の卒業生の就職先の業種をみてみましょう!
思ったより、教員になる人が少ない!
263人中、53人(就職希望者数のうち約2割)ですね。
卒業生のうち就職せずに大学院に進学したり、留学や就職浪人する人もいますので、そう考えると、教員になる学生の割合はさらに少なくなります。
逆にいうと、教育系の学部を出たからといって教員になるというわけではない。
民間企業へ就職する人もたくさんいる、と勇気づけられることでしょう。
教育人間科学部の就職先上位の企業・団体
企業・団体 | 男 | 女 | 計 |
公立小学校・神奈川県 | 2 | 7 | 9 |
公立小学校・東京都 | 2 | 5 | 7 |
明治安田生命保険相互会社 | 7 | 7 | |
私立幼稚園・東京都 | 5 | 5 | |
公立高等学校・神奈川県 | 4 | 4 | |
三井不動産リアルティ(株) | 4 | 4 | |
パーソルキャリア(株) | 1 | 2 | 3 |
三井住友信託銀行(株) | 1 | 2 | 3 |
レイス(株) | 1 | 2 | 3 |
この表は、教育人間科学部の就職先上位の企業・団体を示しています。
上位に位置しているのは、首都圏の公立校が多いですが、左記に混じって金融系や人材系の大手企業が名を連ねています。
こちらのデータからも、思ったよりも民間企業へ就職している人が多いことがわかりますね。
大阪教育大学卒業生の進路先
続いては、関西の名門で教育系の国立大学である大阪教育大学の例を見てみましょう。
この表は、教育学部の教員養成課程と教養学科における、教員とそれ以外の就職先の割合を示したものとなっています。
教員養成課程では、さすが名門教育大学だけあって66%の人が教員の道を選んでいます。
ですが、教員になることに特化した学部でさえ、3割超は民間企業などの一般職に就職していることがわかります。
教養学科にいたっては実に73%が教員以外の進路を選んでおり、その業種を見てみると、情報通信業をはじめとして、製造業、金融業など幅広い分野に就いています。
以上、2つの大学の教育系学部の卒業生の進路先を見てみました。
「教育学部出身者の全員が教員になるわけではない」ことがわかったのではないでしょうか?
教育学部で教師以外に就職する!自己PRの仕方
教育学部は就活で不利とは限らない
さて、教員以外の業界に就職する人の割合を見てきました。
「教育学部の学生でも一般企業に採用してもらえるのか?」そういった不安もあると思うので解説していきます。
結論から言うと「教育学部出身者は独自にアピールできる材料も多く、決して就活で不利ではない」ことをお伝えします。
・勉学に励んでいることをアピールできる
・「教育」は一般企業でも必要な考え方、将来仕事を教える時に役立つ
・大勢の前で研究発表や授業をした経験を、営業力やプレゼン能力としてアピールできる
勉学に励んでいることをアピールできる
まずは、教育学部は他の学部と比べても取得必要単位数が多い傾向にあるので、それだけ「勉学に励んでいる」というイメージがあります。
特に、教員課程を取得した学生であれば、なおのこと就活でアピールできますので取得しておいて損はないでしょう。
「教育」は一般企業でも必要な考え方
また近年は各ハラスメントの増加などで、「教育」を重視する一般企業が増えていることも追い風となっています。
例えば教育学は、将来の職場で後輩を指導するときに必ず役に立ちます。
行動心理学は、円滑な人間関係だったり営業などの仕事に活かすことができますので、そのあたりは「企業から高く評価される傾向」にあります。
営業力やプレゼン能力もアピールできる
特に教育学部は研究発表の機会が多いので、その経験を「プレゼン能力」として企業にアピールできたりしますよ。
人前で話すことが苦ではない、人間関係を築くのが得意、な人は営業職を志望するという選択肢もあります。
教育学部の学生は、他にもアピールできる材料がたくさんありますので、必要以上に就活で悲観する必要はありません。
教育学部出身者が就職活動で注意すべきポイント
一方で、教育学部の学生が就職活動で注意すべきことがありますので、ぜひ覚えておいてください。
教員にならない理由を明確にしておく
それは「教員にならなかった理由を明確にしておく」ことです。
これは教育学部出身者が一般企業の面接で聞かれること「ナンバーワン」ともいえる質問ですので、しっかり用意しておきましょう。
面接する企業側にとっては、
「なんで教育学部に入ったのに教員にならなかったんだろう?」
「教育実習で心が折れてしまったのだろうか」
「もしかして、うちは教採試験に落ちた時の滑り止めでは?」
と純粋に疑問を持つものですので、この疑問を納得させるような答えが必要となります。
教育学部から教員にならない理由の一例
「教員にならなかった理由」の答え方の例をあげておきます。
もともと「教育自体」を学ぶことに関心があり、大学で「◯◯」について学んでいく(体験していく)うちに、御社の行っている事業分野にそれが活かせるのではと思いはじめ、関心が出てきました。
または、
大学に進学する時は「教員になるか」「他の仕事につくか」迷っていたのですが、大学で「〇〇」という経験をするうちに、御社の取り組んでいる事業分野に関心をもち、強く志望するに至りました。
このような答えだと、理由に筋が通っており、質問した面接官もネガティブな印象を受けません。
就活で教員にならない理由のNG例
ダメな例としては、
「途中から教員への興味がなくなってしまった」
「教育実習や学校ボランティアが辛かった」
などといった理由です。
このような理由だと面接官から、
「この学生は飽きやすい性格なのかも」
「ストレスに弱そうだな」
といったネガティブな印象をもたれてしまいますので気をつけましょう!
教育業界だけでなく、様々な業界を見ておこう
ここまでの解説で、「教育学部出身でも様々な業界で活躍している」ということがお分かりいただけたかと思います。
さらに視野を広げるためには「教育学部に所属しているから」という前提を捨てることが大切です。
「教育学部だから◯◯になる」という前提で将来を考えると、自分の可能性を狭くしてしまいます。
自分の興味・関心ときちんと向き合おう
「自分はどんな業界に興味があるのだろうか?」や「自分に本当に合った働きかたは?」というイチから将来を考えることが重要です。
そもそも大学で学んだことは会社でそのまま使えないことが多いですし、社会で必要なことのほとんどは実務を通して習得していきます。
特に文系の場合、学部の違いによる差はそれほどありません。
また10代から20代の時期は感性が鋭いため、価値観が変わりやすいのが普通です。
自己分析しながら「本当にやりたい仕事」を見つけることが大事です。
BtoCだけでなく、BtoBの会社にも目を向けよう
また会社選びのポイントとしては「自分の知っている会社だけが良い会社ではない」ということです。
CMや広告をたくさん出している会社のほとんどはBtoCの会社、つまりモノやサービスを直接消費者に販売している会社。
世の中にはそれ以外のモノやサービスを会社に販売するようなBtoBの会社もたくさん存在しているからです。
ちなみにBtoBの会社は知名度が低い分、就活生の競争率も下がります。
労働条件や福利厚生が充実しているなど、隠れたホワイト企業が見つかる可能性も高いですよ。
「教育学部だから◯◯」「知っている会社だから良い」という2つの前提を捨てることで、広い視野で将来を考えることができますよ!
教育学部の卒業生の教師以外の主な進路
それでは、教育学部を卒業した先輩たちがどんな業界に就職しているのか?
それぞれの業界の長所と注意点をご紹介していきます。
教育・出版業界
教員にはならなくとも「教育には携わりたい」と思う人は教育業界を選ぶ人が多いようです。
教育学部出身の学生が「もっとも強みを活かすことができる」業界でもあります。
教育業界の例を挙げると、塾や予備校、外国語スクール、社会人向け資格取得スクール、人材育成会社など、とても幅広い業界であることがわかります。
また出版業界も、教育に関連するような教科書や教材を専門とする出版会社、資格取得のための教材製作、編集など様々な仕事があります。
ぜひ、自分の特性に合わせて仕事を選んでいきましょう。
注意点としては、教育関連の中小企業やベンチャー企業は「年収が低い傾向」にありますので、年収も重視したい人は大企業を狙うと良いでしょう。
IT・情報業界
教育学部出身者が選ぶ業界の中で、意外にも高い割合を占めるのが「IT・情報業界」です。
IT業界は今後も伸びしろがある業界ですし、社会全体でも見てもとても人気のある業界です。
近年は、IT教育に力を入れている企業も多く、教育学部出身の人材が求められることも多くなっているようです。
またこの業界は、実力次第でスキルアップすることが可能。
将来的にフリーランスや独立も視野に入りますし、リモートワークといった他の業界よりも自由度の高い働きかたができるのが魅力です。
しかし、IT業界はとても進歩が早く、新しい技術が出てくるたびに勉強する必要がありますので、「IT分野に興味があって勉強が苦にならない」という人向けともいえるでしょう。
製造業界
「製造業界」も教育学部からの就職が多い業界となっています。
ひとくちに製造業界といっても、自動車、精密機器、食品、生活用品と幅広い分野がありますので、自分の興味のある分野を選びやすい業界。
しかし、その分だけ会社の数も星の数ほどありますので、会社選びに苦労することも。
「新卒」という特権を使うのなら、研修内容が充実しており、年収や待遇も比較的良い「大手企業を中心に選ぶ」というのが無難といえるでしょう。
転職するときも大手企業のほうが、転職に成功しやすいといえるからです。
建設業界
「建設業界」は建物全般に関わる業界で、都市開発、企画、設計、現場監督、ハウスメーカーなど、こちらも幅広い分野、仕事があります。
建設業界は人手不足といわれていますので、他の業界と比べて「就職しやすい」「給料などの待遇が良い」業界です。
またビルやマイホームなど、自分が関わったことが「カタチとして残る」仕事ですので、やりがいを見つけやすい仕事ともいえます。
しかし、体制などが古い業界ですので、会社によっては「体育会系」だったり「クライアントからのノルマがきつい」という側面もあるので、会社選びにはくれぐれも注意しましょう。
金融業界
金融業界は、教育学部も含めて文系学生の定番ともいえる業界です。
金融業界で働くメリットとしては、お金に関する知識が身につきますので、私生活でもとても役に立つことです。
また部署や職種によっては、経営者や富裕層と関わる機会が多いため、勉強になったり人間力が磨かれるといった声もよく聞きます。
いっぽうで、営業成績、販売数、新規提案数などとにかく「数字的なノルマ」がきついといわれていますので、プレッシャーに弱い人にはおすすめできません。
また業界全体として、フィンテック(金融のIT化)などの発展によって、だんだんと「人材が不要となる」時代がきているため、将来性にはやや不安が残ります。
まとめ、教育学部から教員以外にも就職できる!
いかがでしたでしょうか?
「教育学部だからといって教員になる必要はない」ということが、データなどからお分かりいただけたかなと思います。
もちろん大学によって割合は違ってきますが、「教員にならない」だけでなく「教育とまったく関係のない分野」に就職する学生が多くいることがわかりました。
「他に興味がある業界が見つかった」とか「やっぱり教員は向いてなさそうだな」と心変わりしてもおかしくありません。
「教育学部だから」という前提を捨てることで、選択肢はぐんと広がります。
本当に自分が興味がある業界に就職することができると思いますよ。
もし少しでも教員になることに迷いがあるようなら、「新たな自分を見つける絶好のチャンス」として、インターンシップや説明会に足を運ぶなど、できる範囲で就職活動を始めてみましょう!
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教育系学部の学生は、教育実習の準備や単位の取得などで他の文系学部生に比べて多忙な傾向があります。
その分、効率的に就職活動することが大切。
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